多くの親御さんは、子どもが自発的に勉強に取り組むことを願っていることでしょう。でも、実際には「勉強しなさい!」と口うるさく言ってしまいがちです。
しかし、命令や強制は逆効果になる可能性があります。そこで今回は、子どもが自分で勉強するようになる魔法の言葉について、科学的根拠に基づいてご紹介します。
1. 承認と共感を伝える言葉
**「自分から勉強してすごいね」「今回のテストよく頑張ったね」「この問題が解けたのはさすがだね」**など、子どもの努力や成果を具体的に褒める言葉は、子どもの自己肯定感を高め、学習意欲を向上させることが科学的に証明されています。(Dweck, 2006)
**「難しい問題に挑戦したね」「最後までやり遂げたね」**など、過程を褒めることも重要です。結果だけでなく、努力や挑戦を認めることで、子どもは自信を持ち、困難な課題にも取り組むようになります。(Yeager & Dweck, 2012)
**「何か困ったことがあったら、いつでも相談してね」**と伝え、子どもが安心して親に相談できる環境を作ることも大切です。
2. 自主性を尊重する言葉
**「今日は何を勉強したい?」**と子どもに選択肢を与えることで、自主性を育むことができます。子ども自身が学習内容を選択することで、主体的に学習に取り組むようになります。(Ryan & Deci, 2000)
**「一緒に勉強しようか?」**と誘うのも効果的です。親と一緒に勉強することで、子どもは安心感を得られ、学習への意欲が高まります。
3. 好奇心を刺激する言葉
**「この問題、面白いね!」**など、親自身が学習内容に興味を示すことで、子どもの好奇心を刺激することができます。
**「この本、面白いよ」**と、子どもが興味を持ちそうな本を勧めるのも良い方法です。
4. 目標を設定する言葉
**「〇〇をしたら、△△しようね」**と、具体的な目標を設定することで、子どもは学習の目的を明確にすることができます。目標達成に向けて努力することで、達成感を得られ、学習意欲が高まります。(Locke & Latham, 1990)
5. 魔法の言葉は万能ではない
上記の言葉を意識して子どもに接することは大切ですが、魔法の言葉で子どもがすぐに勉強好きになるわけではありません。子どもの性格や学習状況によっても効果は異なります。
大切なのは、子ども一人ひとりに寄り添い、個性を尊重しながら、学習をサポートすることです。
まとめ
子どもが自分で勉強するようになる魔法の言葉は、科学的根拠に基づいて存在します。上記の言葉を参考に、子どもに適切な声かけを行い、学習意欲を高めましょう。
参考文献
- Dweck, C. S. (2006). Mindset: The new psychology of success. Random House.
- Yeager, D. S., & Dweck, C. S. (2012). Mindsets that promote resilience: When students believe that personal characteristics can be developed. Educational Psychologist, 47(4), 302-314.
- Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2000). Self-determination theory and the facilitation of intrinsic motivation, social development, and well-being. American Psychologist, 55(1), 68.
- Locke, E. A., & Latham, G. P. (1990). A theory of goal setting & task performance. Englewood Cliffs, NJ: Prentice Hall.
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